2026年06月18日
園長のつぶやき「安全」と「好奇心」のあいだで
「安全」と「好奇心」のあいだで
幼稚園において、子どもたちの安全を守ることはとても大切なことです。怪我や事故が起きないよう環境を整え、安心して過ごせる毎日を保障することは、園としての大きな責任です。
一方で、私は園長として「好奇心を守ること」も同じくらい大切な役割だと考えています。
子どもたちは「やってみたい!」と思った時に最も大きく成長します。高いところに登ってみたい。水たまりに入ってみたい。虫を捕まえたい。木の枝を集めたい。そうした好奇心は、子どもたちの学びの原動力です。しかし、子どもの好奇心を大切にしようとすると、安全との間で悩む場面も少なくありません。危険だから禁止する。怪我をするかもしれないからやらせない。その方が大人にとっては安心です。もちろん、大きな怪我につながる危険は大人が判断し、止めなければなりません。しかし、「危険」と「不便」「失敗する可能性がある」は本来別のものではないでしょうか。
例えば、サンダルを履いたまま遊具に登る子がいます。確かに靴よりも動きにくく、脱げやすいかもしれません。だからといって一律に禁止するのではなく、「どうしたら上手く登れるかな?」「脱げないようにするにはどうしたらいいかな?」と、自分の身体と相談しながら工夫する経験にも価値があると私は考えています。
上手くいかないことに出会う。失敗しそうになる。身体で危うさを感じる。そうした経験を通して、子どもたちは自分で考え、自分で判断する力を育んでいきます。
現代は安全への意識が高まり、多くの場面でルールや禁止事項が増えています。それ自体は大切なことです。しかし、禁止によって失われてしまう学びもあります。私は、「絶対に怪我をしない環境」よりも、「自分で考えながら挑戦できる環境」を大切にしたいと考えています。もちろん、命に関わる危険は取り除きます。大きな事故につながることは止めます。その上で、「やってみたい」「できるようになりたい」「どうしたら上手くいくかな」そんな子どもたちの好奇心をできる限り守りたいのです。
安全とは、すべての危険を取り除くことではなく、挑戦できる安心感を支えること。
これからも大谷幼稚園は、安全と好奇心、その両方を大切にしながら、子どもたちが夢中になれる環境づくりを続けていきたいと思います。
挑戦できる安心感を支えたい